セックスのときに必要となってくるコンドームですが、使い方以外はあまり知らないことが多いのではないでしょうか。男性が購入・使用するので女性はあまり馴染みがないことと思います。コンドームというと望まない妊娠を防ぐために使いますが、それ以外にも大切な役割があり素材も違ってくるので使った感覚も変わってきます。

男性側の使い心地と女性側の使い心地も違うので、どちらも違和感なく使えるものが良いですよね。しかし、選ぶコンドームによっては体質に合わなかったり使い心地があまり良くない物があったりするので注意が必要です。今回は、意外と知らないコンドームの素材や使い分けなどを徹底解説していきます。特に女性はコンドームについてあまり知らないことが多いので、パートナーや自分のためにもきちんと知識を身に付けることで、これまでよりもさらに良いセックスをすることができるでしょう。

コンドームの目的って?

コンドームはセックスのときに男性のペニスに装着して使うもので、装着したまま女性の膣の中に挿入していきます。使用する目的は大きく分けて2つで、避妊をするためと性感染症を予防するためです。セックスは必ずしも付き合っている相手とするわけではないので、望まない妊娠を防ぐほかにも性感染症をうつさない・うつされないことが大切です。ここではコンドームの2つの使用目的について詳しく見ていきましょう。

避妊

コンドームを使用する一番の目的は、避妊具としての役割を果たしてくれることでしょう。コンドームは男性のペニスに密着して、ずれること無く射精を迎えることができます。射精して出てきた精液はコンドームの先端にある袋状の突起に溜められるとで、避妊の目的が達成されます。さまざまある避妊具の中でも最も手軽に使用でき、購入しやすい値段で手に入ることから『避妊具=コンドーム』というイメージがあるかと思います。

しかし、コンドームを付けることで男性側の快感が低下してしまったり、摩擦によって女性に痛みが生じてしまったりなどといった問題も度々起こります。特に男性はコンドームを付けると気持ち良さが感じにくくなってしまう人も多く、できることなら付けたくないと思っている人が多いです。そのため、コンドームを付けずに挿入して、射精が近づいてきたら膣から抜いてコンドームをつけ、再び挿入するといった避妊方法をする人もいます。

また、コンドームを全く付けたくないという人は射精寸前に膣から抜いて、外に出すという方法をとっている人もいますが、これらは避妊をしているようですが実際には避妊できていないやり方ですので、必ず挿入前にコンドームを付けるようにしましょう。

性感染症予防

コンドームのもう1つの目的として、性感染症の予防があります。性感染症にかかったとして病院を受診する人で多いものが、クラミジア・淋病・梅毒・性器ヘルペス・カンジダ・トリコモナス・肝炎・HIVなどがあります。早期に発見すれば数日で完治するものから、重症化してしまうものまであります。こういった性感染症を予防するためにも、コンドームを使って予防をするのは必須といえるでしょう。

性感染症は口腔内・性器・アナル(肛門)で感染することが多いですが、コンドームを着用することで全ての行為で性感染症を予防することができます。避妊はコンドームを付ける以外でもできる方法がいくつかありますが、性感染症はコンドーム以外での予防ができません。同じ相手とのセックスだとそれほど心配はいりませんが、初めて会った相手や不特定多数の人とセックスをしていると、どこかで性感染症をもらってしまう可能性があります。性感染症をうつされないためにも、女性でも日頃からコンドームを持ち歩き、いざというときに使えるようにしておくと安心です。

コンドームの種類

コンドームといえばゴム製のペニスの形に沿った筒状の袋を想像するかと思いますが、実はとてもたくさんの種類のコンドームが販売されているのをご存知でしょうか。まず男性が重要視するコンドームの厚みですが、0.01mmの極薄のものから0.05mm以上の厚いものまであります。薄いものはより快感を得たい人向け、厚いものは早漏気味の人向けと使いわけることができます。また、大きさが違うものも販売されており、小さめの物とペニスが大きい人のためのビッグサイズもあり、ペニスの大きさに合わせて使用できます。

よりセックスを楽しみたい人向けのものとして、女性側の方に突起が付いたものやフレーバーが付いているもの、暖かさを感じる潤滑油が付いているものなどさまざまな種類のコンドームがあります。女性側に突起があるものは、女性が快感を得るための作りとなっています。男性がピストン運動をして膣内を刺激するときに、コンドームの表面の突起が当たって気持ち良さを感じることができます。

フレーバー付きのものは、フェラチオなどのオーラルセックスをするときに役立ちます。コンドームを付けてのフェラチオはゴムのような味がして苦手だと思う女性が多いのですが、フレーバー付きのコンドームだと味がついていますので、フェラチオが苦にならないようになります。
その他にもコンドームの種類は多岐にわたりますので、パートナーと相談してお互いが楽しめるものを使っていきましょう。

コンドームの素材

コンドームの素材といえばゴムという印象があるかと思いますが、それ以外でもいくつか種類があります。触った感じや挿入したときの感覚、またはアレルギーの有無によってもおすすめのコンドームの素材は変わってきます。

コンドームの素材は大きく分けてラテックス・ポリウレタン・イソプレンラバーの3つに分類されます。ここではこの3つの素材の違いと特徴などについてご紹介していきたいと思います。まだあまりコンドームについての知識が無い人は、素材を把握するところから始めていきましょう。

ラテックス

ラテックスは最もポピュラーなコンドームの素材で、ゴムの木から抽出した成分が原料となっています。コンドームといえばこのラテックス製の物を想像する人が圧倒的に多いでしょう。コンドームが『ゴム』とも言われているのも、このラテックス製のコンドームが多いことが要因です。昔は動物の腸や魚の浮き袋をコンドームの代わりとして使っていた歴史もあり、それに近い感触がラテックスになります。世に出回っている手袋やカテーテルなどのゴム製品はこのラテックスでできていて、優れた伸縮性が特徴です。

しかし欠点として、アレルギーが出やすいことが挙げられます。ラテックスアレルギーと言われていて、触れるだけで強いアナフィラキシーショックの症状が出る人もいます。喘息発作や湿疹などの症状が出ることが多く、アレルギーをもっている人はラテックス製のコンドームを使うことができないので注意が必要です。

ポリウレタン

ラテックスの次に多いのがポリウレタン製のコンドームで、拡張力があり摩耗に強い素材となっています。ラテックス製に比べてにおいが少ないのも特徴で、ゴムではないので香りはほとんどしません。また、強度があるのでラテックス製のものよりも薄く作ることが可能に。0.02mm以下の薄いコンドームはポリウレタンで作られているので、ラテックスにはできなかった薄さを実現することができます。

触った感覚は薄いプラスチックの膜のような感じで、ラテックスのような伸縮性はありませんが、熱伝導性に優れていてパートナーの温もりを直に感じることができます。アレルギーが出る心配も無いので、「ラテックスアレルギーでコンドームが使えない……」という人にも安心です。
欠点としては、伸縮性はないのでペニスのサイズに合わないことがあるということです。普段は通常サイズのコンドームを使っている男性でも、伸びないので少し大きめの物を購入しているという人も少なくありません。ペニスの大きさに合った物を使わないと、予期せぬ妊娠をしたり性感染症にかかってしまったりなどが起こりえますので、サイズの合ったコンドームを選ぶようにしましょう。

イソプレンラバー

ラテックスともポリウレタンとも違うこのイソプレンラバーは、なんと言っても柔らかさが特徴的です。伸縮性に富んでおり、もちもちとした感触が病みつきになります。医療用の手袋や哺乳瓶の乳首の部分にも使用されていて、その柔らかさはお墨付き。

ラテックスは伸縮性がありますがにおいやアレルギーが気になり、ポリウレタンは薄いコンドームが多いですがあまり伸びないのでサイズが無い人もいます。しかしこのイソプレンラバーの柔らかさは他の2つとは比べ物にならないほどで、そのおかげで装着もしやすいです。しかし素材の特性上どうしても少しだけ厚みが出てしまうので、0.05mm前後のコンドームがほとんどで、出回っている種類も少ないです。女性の膣内の気持ち良さや温かみを感じたい人にはおすすめではありませんが、コンドームの感触が苦手という人には最適でしょう。

コンドームの正しい装着方法

コンドームはただペニスに被せればいいと思ってはいませんか?付けるタイミングや装着方法によっては、本来の効果を発揮しなくなります。望まない妊娠や性感染症を防ぐために使用するものですので、効果を発揮しないのであれば本末転倒です。

まずコンドームを付けるタイミングですが、必ず挿入する前に付けるようにしてください。まれに挿入して射精する前にコンドームを付けてから再び挿入する人がいますが、射精前でも我慢汁と呼ばれる前立腺液が漏れ出ていて、この中に精子が含まれているため、妊娠してしまう可能性があります。勃起した状態で挿入前にコンドームをつけるようにしてください。

まずは袋からコンドームを傷つけないように開封して、裏表を確認します。精液が溜まる突起の部分を摘んで空気を抜きます。ここに空気が入ったままだと挿入中に破れてしまうことがありますので、必ず空気を抜くようにしましょう。
ペニスの皮を根本まで下げてから亀頭の上に乗せて、空気を抜くように下までおろしていきます。陰茎の途中までおろしたら、余っていた皮を伸ばしてから再び下げていきます。こうすることでコンドームと皮が一緒に動くので、ピストン運動をしても外れにくくなります。

パートナーのペニスサイズを把握しておく

コンドームは、サイズに合った物を付ける必要があります。サイズが合わないと挿入中に外れてしまったり、ペニスを締め付けすぎて血流が悪くなったり、快感を得られないといったことがあります。そうならないためにも、パートナーのペニスのサイズを把握する必要がありますが、どうやってサイズを測ればいいのかわからないですよね。
セックス中に定規などでペニスの大きさを測るのは雰囲気的にも難しいですので、手を使って測るのが良いでしょう。両手でペニスを握り、どの指まで長さがあるかというのを把握しておくと、後で長さを図りやすいです。女性がパートナーのペニスの大きさを把握しておくことでコンドームを用意してあげることも可能ですので、機会をみて大きさをチェックしておきましょう。

コンドームの目的別使い分け

コンドームは避妊や性感染症を予防するために使用するもので、人によっては愛用している物が決まっているかもしれません。多種多様なコンドームが販売されているので、特に決まった物を使っていない人はどれがいいのかわからないですよね。コンドームは目的別に使い分けるといった方法もありますので、ここではコンドームを使い分ける目的を1つずつ確認していきましょう。

ゴムアレルギーがある

コンドームを使う上で確認しなければならないことは、「アレルギーがないか」ということです。男性も女性もアレルギーがあるとその素材を使ったコンドームは使用できないので、自分と相手が使用しても大丈夫なのかということを先に確認しましょう。
特にアレルギーが出やすいのはラテックス製のコンドームです。ラテックスはゴムの木を原料としているのですが、この中にあるほんの少しのたんぱく質が過剰に反応してしまうことでアレルギーを引き起こし、ひどい場合はアナフィラキシーショックに陥ってしまうこともあります。

ゴムアレルギーとまではいかなくても、かゆくなるなどの違和感がある場合はラテックス製のコンドームは使用しないほうがいいです。そのときはポリウレタン製かイソプレンラバーのコンドームを使用するようにしましょう。女性にアレルギーがある場合、男性に伝えて違うものを購入してもらうか、自分が用意して男性に使ってもらうというやり方があります。男性も女性のためであればなんらかの対策をしてくれると思いますので、勇気を出して伝えてみましょう。

パートナーが早漏気味

女性がパートナーとのセックスに対して不満を抱くときは、相手が早漏で不完全燃焼になってしまうときが多いです。男性が先に絶頂に達してしまうとそれ以上セックスを続行するのが難しく、もどかしい気持ちになってしまいますよね。男性に努力をしてもらわないといけないというのは大前提ですが、コンドームの種類を変えるだけでも効果が期待できます。コンドームはいろいろな厚みの物が販売されているので、早漏のパートナーであれば厚みがあるものを選ぶと良いでしょう。

一般的に薄いと言われるコンドームは0.02mmか0.01mmとなっています。つまり、それ以上の厚みのものは割と厚めになっていますので、0.03mm以上のコンドームを購入すれば早漏対策ができます。しかし、0.03mmではあまり改善されない人もいます。そのような場合は0.06mm以上の極厚のものを使用すると、感覚が鈍感になって早期に射精してしまう可能性が低くなります。

パートナーが遅漏気味

セックスは男性が射精をすれば終わりという雰囲気があるのですが、なかなか射精にたどり着かないといつまで経っても終わらないですよね。あまりにも長い時間挿入されていると女性の愛液も乾いてきてしまい、痛みが出てくることもあり気持ちも萎えてきてしまいます。男性は早く射精したい気持ちでいっぱいですが、快感を得られていなかったり感覚が鈍感のため刺激が伝わりにくかったりすると、射精までにかなりの時間を要してしまいます。

遅漏を解決するには、男性のオナニーのやり方を変えたり興奮度合いを高めたりといった方法がありますが、女性も関われるもので気軽にできる対策であればコンドームの選び方を変えることです。快感を得やすくするために、薄さが0.01mmのものを選ぶと、膣の感触や暖かさをダイレクトに感じることができるので、通常よりも早くイクことができるでしょう。

ゴムの匂いが気になる

フェラチオなどのオーラルセックスをするときに、性感染症予防としてコンドームを使用することもありますが、このときにゴムのようなにおいがするので苦手な女性は多いことでしょう。
特にラテックス製のコンドームはゴムのにおいがきつく、ポリウレタン製のものはコンドーム自体にはにおいはほとんどありませんが、装着の際の滑りを得するために表面に潤滑油が塗ってあり、この潤滑油が油のようなにおいがするのでこちらもフェラチオの際に敬遠される理由の1つです。

これらは、香り付きのコンドームを使用することで解決することができます。さまざまな香りが付いたコンドームが販売されており、女性が好きな香りの物を選ぶとフェラチオもやりやすくなります。代表的な香りはフルーツ系やチョコレート、ラムネなどの食べ物の香りが人気です。

セックスで更に感じてみたい

コンドームには、女性がさらに快感を得られるようなギミックがあるものが販売されています。代表的なものは、女性側の表面にイボのような突起があるものと、ヒダがあるものです。男性がピストン運動をして腰を動かすことで、膣内の快感を得られるポイントでもあるGスポットやポルチオを刺激することができます。

「パートナーのセックスには不満はないけれど、さらに快感を得られるような取り組みをしたい」「アダルトグッズを使わずにいつもとは違う快感を得たい」と思っている女性は、コンドームの種類を変えてみるだけで全く違った快感を得ることができるでしょう。しかし、イボやヒダがあるコンドームはなかなか購入する機会がありません。使いたいと思ったときは、パートナーに相談して相手の気持ちを確認しておくことが大切です。

まとめ:目的別にコンドームを使い分けてみよう

今回はコンドームの目的や素材・使い分けなどをご紹介しました。男性が使用するものなので、コンドームについて、女性はあまり知識がないということが多いと思います。しっかりとコンドームの種類や素材について理解しておくことで、男性にも好印象を与えられますし、自分の身体を守ることができます。

コンドームにもラテックス製やポリウレタン、イソプレンラバーなどの種類があり、アレルギーやペニスの大きさによっても最適なコンドームは変わってきます。また、パートナーが早漏の場合は厚めの物を選ぶ必要がありますし、遅漏の場合は薄いコンドームを選ぶことで射精のタイミングを調整することが可能です。コンドームを正しく使用することで避妊・性感染症予防をしながら、セックスを楽しむためのアイテムにもなりますので、知識を深めておくと良いでしょう。