「時期によって性欲が変わる」ことについて、悩んでいる女性は少なくありません。実は、女性の性欲に波があるのは決して珍しいことではなく、むしろ正常なことなのです。女性の身体はホルモンの影響を強く受けるので、一定の周期で性欲が上がったり下がったりします。その他にも、そのときの体調や年齢で性欲が変わることもあるので、そういったリズムに対処するのはなかなか難しいかもしれませんね。しかし、あらかじめ女性の性周期について知っておくと、それに合わせた無理のない性生活を送りやすくなるかもしれません。

性欲がピークを迎える時期は、性別によって大きな違いがあることも重要です。性欲が最も旺盛になる時期は男性の方が早く、しかも急速に低下してしまいます。一方で女性はピークを迎えるのが比較的遅いので、男女間でギャップが生まれてしまうことがあるのです。これが原因でセックスレスになってしまうことも。また、性欲が強すぎたり弱すぎたりすることも、女性が性について悩んでしまう原因のひとつです。そういった問題を解決できれば、より豊かな性生活を送れるでしょう。そこで本記事では、女性の性周期や性欲の真実について、詳しく解説していきます。

女性の性欲は変動する?

女性の性欲は時期によって変動します。あるときはすごくムラムラしてエッチしたくなるのに、全然そんな気分にならないことってありますよね。不思議に思ったことがある女性も多いはずです。実は、そういった「波」があることはいたって自然なこと。だからこそ、性欲に変動があることを心配したり、あまりエッチしたくないのに無理にしたりする必要はありません。女性の性欲の波について、まずは次の3つの観点から見ていきましょう。

  • ホルモンの変動
  • 年齢による変動
  • 体調による変動

上記3点が女性の性欲が変動する主な理由です。一番イメージが湧きやすいのは女性ホルモンの変動ですよね。また、年齢やそのときの体調によっても、もちろん性欲は変動します。ただ、最も短期間で大きな影響を受けるのは女性ホルモン、特に生理周期によるものです。私たちの身体はホルモンの影響を強く受けています。こうした点から自分自身の性欲の波について理解しておくと、無理のない性生活を送りやすくなるはずです。それぞれの重要なポイントを見ていきましょう。

女性ホルモンの関係で変動する

「女性ホルモン」は私たちの身体にとって欠かすことのできない存在です。女性ホルモンは性ホルモンの一種で、最も大きな分類では男性ホルモンと女性ホルモンの2種類のものがあります。さらに女性ホルモンは2種類のものに大別され、それが「エストロゲン」と「プロゲステロン」です。実は、これらのホルモンは「生理周期」によって分泌量が大きく変動して、それぞれのホルモンの性質によって体調や性欲も影響を受けます。まずは生理周期とホルモンの関係について、簡単に見ていきましょう。

月経から排卵までの期間「卵胞期」はエストロゲンが大量に分泌されて、この時期はいわゆる通常の状態で基礎体温も低めです。しかし、排卵日を迎えてから次の月経が訪れるまでの「黄体期」は、逆にプロゲステロンが増えてエストロゲンは減ります。黄体期はいわゆる妊娠や出産に備える時期で、基礎体温が上がったり体内に水分が蓄積されたりする時期です。これは妊娠に備えるためのものなので重要な働きですが、月経前症候群(PMS)の原因にもなります。

性欲は性ホルモン、男性はテストステロン、女性はエストロゲンの影響を強く受けます。これらの分泌量が高いほど、性欲が溜まってムラムラしやすくなるのです。詳細は後ほど解説しますが、女性の性欲は排卵前の「卵胞期」に強くなります。エストロゲンの影響でエッチに関する意欲が高まっているので、自然とセックスをする頻度も高くなるでしょう。対照的に月経前の黄体期は、エストロゲンが減るので性欲も停滞してしまいます。つまり、女性は月経と生理の2週間ごとのサイクルで、性欲が大きく変動していくということです。

年齢で変動する

女性は年齢によっても性欲が大きく変動します。先ほどご紹介したホルモンや生理周期によるものは、だいたい2週間のサイクルで訪れるものでした。それとは対照的に、年齢による変動は10年単位で訪れる、非常に大きなサイクルです。詳しくは後ほど改めて解説しますが、エストロゲンの分泌量は年代によって大きく異なり、だいたい20代後半から30代前半にピークを迎えます。意外なことに10代や20代前半は、まだピークには達していないのですね。

女性のエストロゲン分泌量が多い状態は、40代になるくらいまでは続きます。しかし、それを過ぎると急激に低下していって、45歳前後でいわゆる「更年期」に。それから約5年後の50歳に閉経を迎えて、女性ホルモンの分泌量は常に低い状態となります。ちなみに、更年期は閉経前後の5年ほどの時期を指すものです。ホルモンバランスの乱れから、心身に様々な症状が出てしまいます。この時期にエストロゲンの分泌量をある程度高い状態に保つことができれば、こういった更年期の症状も大幅に緩和されるようです。そのためには、定期的なセックスも効果的だと言われています。

こういったエストロゲンの年齢による推移を考えてみると、おのずと性欲の変動も見えてきます。つまり、女性の性欲が最も高いのは20代後半から30代後半までということです。10代や20代前半はとても若くて元気な世代ではありますが、それほどムラムラくるというわけではありません。ただ、40代になるとエストロゲンが急激に減ってくるとはいえ、30代後半から性欲も急激に減退するというわけではないようです。女性の性欲はだいだい45歳くらいまでピークが続くといわれています。このように、女性は年齢の推移によっても性欲が変動していくのです。

体調によって変動する

こちらは経験則から分かりやすいかもしれませんが、体調によっても性欲は大きく変動します。つまり、体調が良いときは性欲も強くて、体調が優れないときは性欲も減退するということです。ただ、ひとくちに体調といっても、様々な要素の影響を受けますよね。例えば、風邪や病気などで身体が弱っているときは、身体のエネルギーを維持する必要があるため、性欲が湧くほどの余裕がありません。精神的に疲れているときも、イライラや不安感などで交感神経が活性化しているため、ムラムラしにくい状況にあります。

特に性ホルモンのバランスは、女性の体調に大きな影響を与えます。排卵日から月経日までの間は前述したように、プロゲステロンの分泌が増えてエストロゲンが減り、ホルモンバランスが急激に乱れてしまう時期です。そのため、体調に様々な変化が訪れて心身につらい症状が出てきます。例えば、下腹部や乳房など性器の痛みや、肌荒れやむくみなどお肌のトラブル、頭痛やめまいなどの身体的症状の他に、イライラや抑鬱感などです。こういったトラブルで体調が悪化しているときは、もちろん性欲を感じるどころではありませんよね。

前述したように、精神の状態も性欲に大きく影響します。実は女性が性欲を感じるためには、心身がリラックスして副交感神経が活性化している必要があるのです。これは自律神経というものの一種で、交感神経と副交感神経からなります。交感神経が優位になると心身が興奮状態になり、副交感神経が活性化すると逆にリラックスした状態になるのです。ストレスでイライラが溜まっていたり、不安や焦燥感などを抱えていたりするときは、精神が興奮状態にあるので性欲は減退します。このように、性欲は身体だけではなく精神の影響も強く受けているのです。

女性の性欲が旺盛になる時期

女性の性欲は時期によって大きく変動します。そのポイントとなる要素は、前述したように「ホルモンバランス」「年齢」「体調」の3つの要素です。しかし、女性の性欲が特に旺盛になるタイミングは、いつごろになるのでしょうか。ここでは特に重要な2つのタイミングについて、詳しく掘り下げていきましょう。

  • 30代
  • 排卵前

先ほども少し触れたことですが、女性の性欲は30代になるとピークを迎えます。これはかなり意外に思えることかもしれませんよね。女性の場合は若ければ性欲旺盛ということでもないので、性欲の波は少し複雑になります。また、生理周期によるホルモンバランスの影響から、排卵前のタイミングも性欲が溜まってムラムラしやすくなるのです。

30代~

女性の性欲は30代にピークを迎え、特に35歳~45歳くらいが最も性欲が盛んになると考えられています。しかしながら、これには正確な科学的根拠はありません。なぜなら、この性欲のピークは年齢による女性ホルモンの推移とは、一致するものではないからです。性欲に最も大きな影響を与えるのは、女性ホルモンと聞いてイメージしやすいエストロゲン。エストロゲンの分泌量は、20代後半から30代前半にピークを迎えて、40代になると急激に低下していきます。しかし、女性の性欲はエストロゲンが減り始めてからも、しばらくは高い状態が続くのです。

おそらく、これは年齢によるホルモンバランスの変化から、少し遅れて身体が反応するためだと考えられるでしょう。同様の現象は男性にも見られます。男性の主要な性ホルモンであるテストステロンは、10代後半から20代前半にピークを迎えて、それからは緩やかに低下していきます。しかし、男性の性欲がピークに達するのは基本的には20代後半です。このように、性欲はホルモンの影響を強く受けるとはいえ、身体は必ずしも年齢による推移の影響をすぐに受けるわけではないのでしょう。さて、女性は30代に性欲のピークを迎えるのですが、詳しく見てみるとピークは2回あるようです。

女性の性欲は20代後半に一度目のピークに達して、それから少し低下します。これは、女性は20代後半に出産を迎えることが多いからです。女性は出産するとエストロゲンの分泌量が一時的に低下して、その代わりに「プロラクチン」というホルモンの分泌量が増えます。プロラクチンは授乳ホルモンとも呼ばれており、主な作用は母性本能を高めて女性の授乳を促すこと。一般的にプロラクチンのレベルが高い状態のときは性欲が抑制されるので、出産後しばらくは性欲が減退するのは自然なことなのです。出産後しばらくするとエストロゲンが回復するので、性欲は二度目のピークを迎えます。

排卵前

排卵前は性欲がかなり高まりやすい時期です。冒頭でもご紹介したように、女性は生理周期によってホルモンバランスが大きく変わります。生理前の黄体期はプロゲステロンが増えて、排卵前の卵胞期はエストロゲンが増えるのです。性欲はエストロゲンの影響を強く受けるので、エストロゲンが増える排卵前の2週間は、性欲が最も旺盛なタイミングになります。この時期は、女性にとっても比較的体調が整いやすい時期です。しかも、美容に大切なエストロゲンの分泌量が増えるので、女の子が輝く時期でもあります。

エストロゲンの影響でエッチに関する意欲も高まっているので、排卵前の2週間は自然とセックスをする頻度も高くなるものです。一方で、生理前はエストロゲンの減少によって性欲が減退するだけではなく、月経前症候群(PMS)の影響もあってとてもつらい時期ですよね。この時期は性行痛も感じやすいですし、あまりエッチしたくないというのは、決しておかしなことではありません。しかし、男性は基本的にいつでも性欲を感じるものなので、女性がつらいときでもセックスを求められることはよくあります。

男性は女性のこういった生理周期や体調の変化については、ほとんど何も知りません。そのため、女性がセックスしたくないそぶりを見せると、不思議に思われてしまうこともあるでしょう。しかし、セックスはお互いに楽しんで気持ちよくなれるからこそ行うものなので、つらいときは無理にする必要はありません。今はしたくないということを彼に伝えて、体調の良いときにしっかり楽しむようにしましょう。このように、自身の性欲の波について理解しておくと、無理のない性生活を満喫できるようになります。

男女で性欲のピーク時期にずれがある

女性の性欲はタイミングによって大きく変わり、年齢によっても推移していくことを見てきました。しかし、カップルで性生活を送るうえで、男女の違いも非常に重要になってきます。なぜなら、男性と女性とでは、性欲がピークを迎える時期が異なるからです。具体的には、男女それぞれの性欲のピークは、次の年齢に訪れると考えられています。(6)(7)(8)

・男性は10~20代
・女性は30~40代

このように、男女間では性欲のピークに10歳くらいもの違いがあります。しかも、男性は女性よりも早くピークを迎えるため、カップルの間には大きなギャップが生じてしまうことに。このように、男女間で性欲が高まる時期にずれがあるため、セックスレスになったり性生活におけるトラブルが生じたりすることがあるのです。詳細を見ていきましょう。

男性は10~20代が最も性欲旺盛

男性の性欲は20代にピークを迎えます。男性の場合も女性と同様に、性欲が強く影響を受けるのは性ホルモン、特にテストステロンです。男性のテストステロンの分泌量は、10代後半から20代前半にピークを迎えます。一方で性欲のピークは少しだけ遅れて、20代後半にピークに達するようです。男性の場合はだいたい20代が、最も性欲旺盛な年代だといえるでしょう。しかし、男性のテストステロンは30代を迎えると低下していきます。分泌量自体は女性と比べると比較的緩やかに低下していきますが、性欲は30代後半を過ぎると急激に減退することが特徴です。

また、男性の性欲は個人差が大きいことも特徴のひとつです。基本的にピークは20代後半ですが、人によっては10代や20代前半にはすでにピークアウトして、20代後半になるとすでに減退が始まっている、ということも少なくありません。それとは対照的に、30代になっても10代のようにビンビンで現役ということもあります。これは、テストステロンの分泌量が、生活や運動の習慣に影響されることが大きいためです。いずれにせよ、男性の性欲はだいたい20代にピークになると考えておくと良いでしょう。

ちなみに、男性の性欲にも時期によって変動があります。ただ、女性の波と比べて周期は小さく、変動もそれほど大きなものではありません。男性の場合は2~3日くらいの周期で性欲の波が訪れます。これは、男性の睾丸が精子で満たされるまでに、だいだい3日前後の時間が掛かるからです。ほとんどの男性が2~3日おきにマスターベーションをしたり、セックスをしたがったりするのも、こういった周期があるからなのですね。また、男性は射精すると「プロラクチン」というホルモンの影響で、性欲が一気になくなってしまうことも特徴です。

女性は30~40代が最も性欲旺盛

女性の性欲がピークに達するのは、だいだい30代のときです。女性の性欲は女性ホルモンに左右されるので、女性ホルモンの推移を見てみると分かりやすくなります。女性ホルモンは20代後半から30代前半にピークを迎え、性欲は少しずれて30代後半から40代前半にピークへ到達する、というのは前述したとおりです。しかし、男性のピークは20代後半でした。大きな問題は、男女の年齢のピークには、なんと10歳以上もの差があるということ。こういった違いが、カップルの関係に問題をきたしてしまうことがあるのです。

なぜなら、女性の性欲がピークに達して本当にエッチしたくなったときに、男性が衰えていてカップルでセックスを満喫できなくなってしまうからです。一般的には、カップルは男性の方が年上で女性は少し若い、ということが多いでしょう。男性が性欲のピークを迎える20代後半のとき、女性はまだ性欲のピークに達していません。しかし、女性の性感帯が磨かれて美しく爛熟したときになると、男性はもう30代後半に差し掛かっているでしょう。すでに男性の性欲が著しく衰えてくる時期なので、本当にやりたいときにエッチできなくなってしまうのです。

こういった現象は世界中のいたるところで見られます。これの何が問題なのかというと、カップルが「セックスレス」になったり、関係が悪化したりしてしまう原因になるからです。セックスはカップルの愛や絆を深めるために欠かせません。そのセックスでカップルのどちらか、もしくは双方が満足できないことが増えると、少しずつ不満がたまっていてしまいます。そういった不満がセックス以外の日常生活にも影響して、お互いの心が離れてしまうことも。男性が思うように力を発揮できなくても女性が満足できるように、セックストイを活用するなどの対策が必要になるでしょう。

性欲がありすぎて悩んでいるなら

女性の性欲は30代でピークを迎えることが多いですが、いずれにしても性欲自体は男性より控えめということがほとんど。しかし、性欲は個人差がとても大きなものです。そのため、女性でも性欲が非常に強くて、もてあましていて困ってしまう……ということもあります。性欲があること自体は全く悪いことではありませんが、もし悩みを抱えているなら次の3つのいずれかを試してみましょう。(9)

・適切なオナニーで性欲を解消する
・パートナーとのセックスを充実させる
・日常生活に支障がある場合は専門家に相談

性欲を落ち着ける最も効果的な方法は、やはり自分自身で身体を慰めるひとりエッチですよね。しかし、オナニーはあまりやりすぎると逆効果ですし、やり方によっては大切なところを傷つけてしまうことも。正しい方法で性欲を解消していきましょう。もちろん、パートナーとのエッチを充実させることも有効です。ただ、性欲があまりに強くて日常生活に支障が出てしまう場合は、専門家に相談してみる必要があるかもしれません。

適切なオナニーで性欲解消

マスターベーションは性欲を解消する最も効果的な方法のひとつです。そのため、性欲が強すぎてもてあましている女性は、積極的にオナニーすることをおすすめします。オナニーというとネガティブなイメージがあるかもしれませんが、実は女の子のオナニーにはいろいろなメリットがあるのです。もちろん性欲の解消もそのひとつですが、ストレスの解消やリラックス感を得られることや、自律神経を整えたり安眠をサポートしてくれたりする効果もあります。

ただ、マスターベーションは適切な方法や適度な頻度で行う必要があります。例えば、性器を強すぎる力で圧迫したりこすったりすると、大切な性器を痛めてしまうことも。過度の刺激に慣れることで、性器の感度が低下してしまうこともあります。そうなると、肝心のセックスで十分な快感を得られなくなり、満足できなくなってしまうので厄介です。そのため、適度な刺激で気持ちよくなれるように、正しいやり方でオナニーすることが大切になります。後述するようにセックストイが効果的です。

また、オナニーはあまり頻繁にやりすぎると、心身に悪い影響が出てしまうかもしれません。性行為は意外と体力を消耗するので、頻度が高すぎると疲れてしまいます。特に、オナニーで性感帯が磨かれて膣内でオーガズムに達することができるようになると、快感がクセになってやりすぎてしまうことがあるので要注意。こうしてオナニーの頻度が高くなると、いわゆる「オナニー依存症」のようになってしまうことも。これを防ぐためには、一度のオナニーで十分に満足することができるセックストイの使用が効果的です。

充分なオルガズムにはセックストイが有効

強すぎる性欲を解消するためには、ひとりエッチが最も有効な手段です。しかし、自分の手でやるオナニーではどうしても満足できなかったり、つい刺激が強くなりすぎたりしてしまうことがあります。それは、指でやるオナニーにはバリエーションの豊かさや、刺激の深みに限界があるからです。そこでセックストイを使ってみることをおすすめします。セックストイは、性行為で快感を得ることに特化した専用のグッズです。セックストイには大きなメリットがあります。

セックストイを使うとオナニーの満足度が飛躍的に高まります。セックストイの大半は電動グッズですが、振動機能によって指では与えられない刺激を得ることができるのです。特に、膣内のGスポットやポルチオなどの性感帯を刺激するときは、とても簡単に気持ちよくなることができます。また、こうしてオナニーの満足度が高まることでオーガズムに達しやすくなるので、女性ホルモンの分泌量が増えやすいこともポイント。さらに、一度のオナニーで思う存分に気持ちよくなれるので、かえってオナニーの頻度を上げなくても性欲を解消しやすくなります。

ひとりエッチで使うセックストイとしては、ローターやバイブレーターがおすすめです。どちらも電動グッズなので、セックストイに慣れていない人でも使いやすいのがポイント。ローターはクリトリスに、バイブレーターはGスポットの刺激に使います。クリトリスでのオナニーは単純そうに思えますが、実はオーガズムに達するためにはコツが必要です。ローターならクリトリスに当て続けるだけでも、イクことができるでしょう。Gスポットは目で見えない位置にあるので、自動的に刺激してくれるバイブはとても便利です。オナニーにはぜひセックストイを活用しましょう。

パートナーとのセックスを充実させよう

ひとりエッチでも性欲を解消することはできますが、せっかくエッチなことをするなら、やはり愛する人と一緒にセックスする方がいいですよね。しかし、パートナーとのセックスで満足できないことが、性欲が溜まってしまう原因になっているのかもしれません。この場合はセックスの頻度を増やすという単純な方法では、欲求不満を解消することは困難です。セックスがマンネリ化してしまっている可能性が高いので、内容を充実させる必要があります。

愛し合うカップルでも、付き合いが長くなるとセックスがマンネリ化していきます。それは同じパターンの繰り返しが多くなって、刺激がなくなってしまっているからです。そこで、セックスに新たな要素を加えて刺激を強くすると、セックスの満足度を高めることができます。例えば、セックスの体位やシチュエーションを変えてみたり、新たなプレイを取り入れてみたりするのが有効です。いつも正常位ですることが多い場合は、騎乗位や後背位を取り入れてみましょう。場所を変えてエッチしたり、コスプレやSMプレイなどを取り入れたりしてみるのも良いかもしれません、

また、先ほどのオナニーの場合と同じように、エッチのときもセックストイを取り入れるのはとても効果的です。セックストイは文字どおり、セックスの刺激を飛躍的にパワーアップしてくれます。彼にローターやバイブを使って前戯をしてもらうと、感度が高まって挿入後の満足感も高まります。彼のアソコにコックリングやペニスサック、イボ付きコンドームなどを装着すると、挿入時の刺激も強くすることができます。様々な方法で彼とのセックスを充実させて、性欲を思い切り解放しましょう。

日常生活に支障がある場合

性欲があまりに強すぎて日常生活に支障がある場合は、何らかの方法で改善する必要があります。例えば、常にエッチなことばかり考えて他のことに手がつけられなかったり、毎日オナニーやエッチを長時間するため学業や就業に悪影響が出ていたりする場合です。エッチな妄想を止める「エロ禁」やオナニーを我慢する「オナ禁」が必要になるでしょう。こういうのは男性のものだというイメージがあるかもしれませんが、性欲が強すぎて生活に悪影響が出ている場合は女性にとっても重大な問題です。

ただ、それでもなかなか性欲を解消できず日常生活に大きな支障が出ている場合は、すでに自力では改善が難しい状態になってしまっているかもしれません。女性は抑鬱感や過剰なストレスを抱えていると、セックスを強く求めすぎてしまうことがあるようです。つまり、性欲があるからエッチしたくなるというよりも、セックスに依存してしまっている状態だということ。これはいわゆる「セックス依存症」という精神疾患で、アルコールや薬物への依存と同じく治療が必要です。

セックス依存症は相手がいるセックスでも、ひとりでやるマスターベーションでも起こります。もし毎日何度も性行為をしないと満足できなかったり、性行為ばかりに時間を費やして他のことができなかったりする場合は、セックス依存症の可能性が高いです。実は、こうした依存症の背景には何らかの精神的な問題や、過去のトラウマなどが原因になっていることが少なくありません。精神疾患は自力での解決は困難なので、思い当たる点がある場合は必ず精神科医に相談してみましょう。

性欲がなさすぎて悩んでいるなら

先ほどは性欲がありすぎて、困っている人のための対処法について見てきました。しかし、逆に性欲がなさすぎて悩んでいる、という人も少なくありません。性欲が湧き起こらない理由はいくつかのものが考えられますが、主に精神面でのケアが重要になります。精神的な状態を改善することによって、性欲も湧いてくるかもしれません。そこで、性欲がなくて困っているという人は、次の3つのいずれかの対策法を検討してみましょう。(10)

  • 性に関する知見をつけてみよう
  • ストレスや疲労をケアしよう
  • 性欲減退障害になっているかも

もしかすると、性に関する未知なものが多いがゆえに、セックスに対して消極的になってしまっているのかも。そこでセックスに対する知識、知見を身につければ性欲も湧いてくるかもしれません。また、性欲は精神の影響も強く受けるので、ストレスや疲労をケアすることも大切です。それでもなかなか改善できない場合は、性欲減退障害という疾患が原因なのかもしれません。それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

性に関する知見をつけよう

私たちは未知なるものに対して、自然と恐怖心や警戒感のようなものを抱きがちですが、それはセックスにも当てはまるかもしれません。女性にとってセックスというものは、少し怖い感じがするものでもあります。なぜなら、女性のセックスは男性に進入されるという行為を伴うからです。特に、セックスの経験がほとんどない女性や、経験があったとしてもあまり良い思い出がない女性は、往々にしてセックスに対してマイナスのイメージを持つことが少なくありません。

こうした感情が原因で、性欲が湧かないということもあります。セックスという未知なるものに対する恐怖や緊張が、性行為への関心や意欲を上回って消極的にしてしまうのです。しかし、セックスがそういうネガティブなものではないことを知ると、少しずつ意識が変わっていきます。怖いものではなく楽しいもの、痛いものではなく気持ちのいいものだということが分かると、セックスへの関心が芽生えるでしょう。それが性欲につながって、セックスへの意欲が湧いてくるのです。

もしセックスに対する不安感があるのなら、とりあえずマスターベーションをしてみるというのも効果的です。オナニーはひとりで行う性行為なので、男性とやるよりも不安や緊張が大幅に緩和されるはず。すべて自分の意思でコントロールできるので、痛みではなく快感を高めることができます。前述したように、セックストイの活用は非常に効果的です。気持ちよくなれる方法を探っていけば、自然とセックスへの知見も身について、未知な領域が減っていきます。そうして性行為が気持ちいいものだということが分かれば、セックスへの意欲や性欲も高まっていくでしょう。

日頃のストレスや疲労が大きい

これまでご紹介してきたように、性欲はホルモンの周期や年齢などの影響も強く受けますが、実は精神面の安定性も大きなポイントです。精神的にストレスや重圧が多い状況下にあると、性的な機能は低下してしまうことが分かっています。慢性的な疲労を感じているような場合も、体力が不足しているため性欲はなかなか湧きません。ストレスが多くてイライラしている、身体の疲れがひどくたまっているという人は、まず心身の疲労をケアしてみましょう。

ストレスのケアといっても、最近はストレス社会で常に過度のストレスを抱えることが増えているので、なかなか難しいかもしれません。ストレスの解消に効果のある方法は、個人の性格や好みによって異なります。例えば、誰かと一緒にいるのが好きな人は、友達と会っておしゃべりしたり遊びに行ったりするのが良いでしょう。逆にひとりでいる方がいい人は、ひとりで散歩したりイベントに出掛けたりするのがおすすめです。また、趣味を見つけてそれに没頭するのも、ストレス解消に大きな効果があります。

ただ、身体的な疲労が蓄積してしまっている場合は、そちらの解消も非常に重要です。十分な睡眠時間を確保して、身体をゆっくり休めましょう。睡眠時間を7時間くらい確保すれば、心身ともに疲労やストレスから回復することができます。しかし、忙しくてどうしても睡眠時間を延ばせない、ということもあるでしょう。そんな場合は睡眠の「質」を向上させてみましょう。睡眠の質は時間の長さよりも大切で、上手くいけば短時間の睡眠でも十分な疲労回復効果を望めます。

睡眠の質を高くするために有効なのは、温かのお風呂にゆっくり浸かることです。お風呂は全身を温めて筋肉をほぐしてくれるだけではなく、精神的にもリラックスできます。入浴後に簡単なストレッチ運動もするとさらに効果的です。ただし、お風呂があまり熱すぎるとのぼせてしまうので、お湯の温度は39度~40度くらいにしましょう。また、スマホの画面が発する「ブルーライト」は脳を活性化させるため、就寝前のスマホは睡眠の質を大きく低下させます。そのため、遅くとも就寝の30分前までには、スマホの使用を止めるようにすることも大切です。

性欲減退障害の可能性

あまりにも性欲やセックスへの意欲が湧かないという場合は、「性欲減退障害(HSDD)」という疾患の可能性があります。性欲減退障害はその名のとおり、性欲が減退してしまう疾患です。性行為への関心やセックスへの欲求が失われて、セックスをほとんどもしくは全くしないという状態になります。そればかりか、性的な妄想をすることさえ少なくなり、身体と心がセックスから離れてしまうのです。しかし、性欲が欠如している状態に精神的苦痛を感じなければ、性欲減退障害ということにはなりません。逆に、性欲が減退してしまう状態に対してストレスを感じたり、イライラや不満を感じたりしている場合は、性欲減退障害に該当します。

性的行為への関心や性欲の低下は、一時的なら誰にでもあります。その多くの原因は疲労など一過性のものが原因で、しばらくすれば回復していくものです。しかし、性的減退障害の場合は原因が根深いものであることが少ないので、長期間続いてしまいます。アメリカ合衆国では全体の約1割もの女性が、この性欲減退障害を抱えているようです。性欲減退障害の主な原因は、過剰なストレスや抑鬱、不安やパートナーとの関係の問題、過去のトラウマや投薬などだと言われています。あまり頻度は高くありませんが、女性ホルモンのバランスが乱れることによっても、性欲が減退することもあるようです。

冒頭でも解説したように、女性の性的欲求は交感神経と副交感神経のバランス、興奮と抑制のバランスが欠かせません。しかし、何らかの原因によってそのバランスが乱れると、性的欲求を感じられなくなってしまうのです。性欲減退障害であることにストレスを抱えると、さらに悪循環に陥ってしまいます。性的減退障害を抱えている女性は、一般的に不安になりがちで、気分が頻繁に変動してしまう傾向があるようです。精神疾患を抱えていて抗鬱薬、特にSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を使用している場合も、過剰な飲酒と同様に性欲を大きく減退させてしまいます。

ちなみに、エストロゲンなどの性ホルモンは加齢によって減少するため、年齢と共に性欲が低下するのは自然なことのように思われるかもしれません。しかし、この性的減退障害は若い女性に起こってしまうことも少なくないのです。健康な女性が性的減退障害になる可能性は高齢女性と同じくらいあり、性欲はホルモンよりも気分やパートナーとの関係の影響を受けやすいと言われています。そのため、性的減退障害を改善するためには、自分が「何に対して性的興奮を感じられるか」を考えることや、パートナーとの改善を図ることが大切なのです。

『何に刺激を感じるか』が治療のカギ

前述したように、性欲というものは気分やパートナーとの関係の方が、身体やホルモンよりも大きな影響を与えています。そのため、自分がどんなときに性的欲求や刺激を感じるのかについて、しっかり見つめてみましょう。例えば、親密な会話やスキンシップならセックスへ発展するのが良、一緒にエッチなビデオを見ることで刺激を感じられるなどです。キスをしたり優しく抱き合ったりすることも大事ですよね。前戯でどのようなことをしてもらいたいのか、セックストイを使ってほしいのか、ということも考えてみる必要もあります。

何よりも重要なことは、そういった理想や欲望について、パートナーにしっかり伝えることです。セックスにはパートナーの協力が欠かせません。セックスはひとりでやるものではなく、愛するパートナーと一緒につくりあげるものだからです。そのうえで彼の理解を求めて、一緒に解決策を探っていく必要があります。スキンシップや前戯、雰囲気づくりなどについて、彼と共に考えていくのです。先ほどもご紹介したように、セックストイは非常に重要な手段になるでしょう。セックストイには様々なものがあり、セックスに新たな刺激をもたらしてくれます。最初は恥ずかしい感じがするかもしれませんが、上手くいけば大きな改善があるはずです。

ただ、性的減退障害がそもそも精神的な要因、例えば抑鬱感やパートナーとの関係などにある場合は、この方法での改善が難しい場合もあります。特に、性的減退障害を抱えている女性は、自己に対する否定的なイメージを持っていることが少なくありません。こういった自己像を改善するための治療法方法に「マインドフルネス認知療法(MBCT)」というものがあります。マインドフルネス認知療法は、基本的に現在その瞬間に起こっていることに集中して、その他のことに気を惑わされないようにするという行動療法です。これにより、セックスの興奮や快感に注意できるようになり、性行為への意欲もまた湧いてくるかもしれません。

まとめ

今回は、女性の性周期や性欲の真実について解説したうえで、性欲を解消したり高めたりする方法をご紹介しました。女性の性欲は時期によって大きく変動しますが、その大きな要因は「ホルモン」「年齢」「体調」の3つです。特に、生理周期によるホルモンバランスの変化は、女性の性欲に大きな影響を与えています。生理前の黄体期は体調の乱れや、エストロゲンの減少などの理由で性欲は減退しますが、排卵前の卵胞期はエストロゲンが増えるので性欲が高まるのです。

年齢によるホルモンの推移も女性の性欲への影響が大きく、多くの女性は30代に性欲のピークを迎えます。しかし、これは男性が性欲を迎える20代という年齢とは、大きなギャップがあるものです。そのため、カップルの間で最もエッチしたい時期にずれが出て、セックスの快感を十分に満喫できないこともあります。それがセックスレスにつながるなど、カップルの関係に悪影響が出てしまうこともあるので注意が必要です。カップルで協力して、無理のない性生活を送れるようにすることが大切になります。

性欲が強すぎて持て余してしまう場合は、適切な方法や頻度でオナニーをしたり、パートナーとのセックスを充実させたりして、性的な満足度を高めましょう。いずれの場合もセックストイが役立ちます。ただ、性行為に時間を使いすぎて日常生活に支障が出ている場合は、専門家への相談が必要になりそうです。逆に性欲がなさすぎて困っている場合は、心身のストレスや疲労を回復させたり、セックスへの知見を身につけたりして、性への意欲を高めてみてください。自身の性欲の波を理解して、充実した性生活を送りましょう。