セックスの経験がある女性も、ない女性もセックスのイメージは「快感」や「安心感」などではないでしょうか?
しかし、セックスの経験のある女性の中には、セックスの最中に痛みを感じる「性交痛」を経験した事がある女性もいると思います。
時には、セックスで感じる痛みを男性に伝えるのを躊躇い、我慢することも。
せっかく快感を得られることの出来る行為なのに、我慢するのはよくありません。
性交痛の解決が出来れば、セックスはより良いものになります。
今回は、「性交痛」の正体や解決策について紹介します。

セックスの時に痛みを感じる?

セックスの時に、痛みを感じたことありませんか?
初めてではないのに、セックスの最中に痛みを感じたことのある女性は少なくありません。
特に痛みを感じるのは、挿入中が多く聞かれます。
基本的に性交痛の原因は「膣が十分に潤っていない」事が挙げられます。
膣が十分に潤っていないと、摩擦が大きくなってしまい、それが痛みに繋がってしまうのです。

こういったことから愛撫による前戯は大事と言えます。
性交痛を感じる多くの場合は「潤い不足」ですが、中には何らかの病気が隠れていることもあります。
また、精神的な部分でも性交痛に関わってくることもあるので、性交痛を感じた場合にはそのままにせずに何らかの対処をするようにしましょうね。

性交痛って?

そもそも性交痛とは「性交」所謂セックスの時に女性が感じる痛みの事を言います。
男性器を挿入した時に、膣の入り口や膣内で生じる痛み。
その痛みの種類もさまざまです。

・突き刺すような鋭い痛み
・ギューと締め付けられるような痛み
・焼きつくようなヒリヒリとした痛み

どんな痛みにしても女性にとって最もデリケートな部分の痛みは、時に耐えがたいと感じるほどになってしまうこともあります。
痛みの種類や痛みの差はありますが、性交痛は多くの女性が経験したことがあると言われています。

性交痛は男性器を挿入した時の激しい摩擦や刺激によって引き起こされる事が主な原因です。
乾いた肌を激しくこすり合わせると痛いですよね?
それと同じ原理になります。
セックス中の痛みということもあって、男性にはなかなか伝えにくい性交痛ですが、そのままにしておくと痛みがひどくなったり、セックス自体に拒否反応を起こしてしまうことも。
原因は何であれ解決するのが一番ですが、まずは自分が感じている痛みの原因を知ることが大事になります。

濡れない原因って?

性交痛を感じる一番の原因は、「潤い不足」です。
女性は体に性的な刺激を受けた際に、男性器の挿入をスムーズにするため、膣から分泌物が出ます。
この分泌物が「愛液」と呼ばれるものです。
これの愛液が、膣内に男性器を挿入する際の潤滑油の役割を果たしてくれるのです。
しかし、この潤滑油が十分に分泌されていなければ、男性器を挿入した際に膣内での摩擦が大きくなり、痛みに繋がります。

そもそもこの潤滑油が分泌されない原因は何なのでしょうか?
始めに思い浮かぶのが「前戯の際の男性の力不足」と思ってしまいがちですが、それだけではありません。
実は、女性自身の体調や精神的なストレスなど、さまざまな要因が存在し潤い不足、要するに濡れなくなってしまうのです。
女性の体は、非常にデリケートです。
自分でも気付かないうちに濡れない原因を作ってしまっていることもあります。
では、濡れない原因はどんなところにあるのか紹介します。

寝不足

仕事が多忙である事や悩み事などで寝不足が続いていると、ホルモンバランスが乱れてしまいます。
ホルモンバランスが乱れてしまうと、濡れるのに必要なオキシトシンという物質が分泌されなくなり、濡れなくなる原因になってしまうのです。
また、寝不足が続いていると性欲の減退を招くこともあります。
性欲が減退してしまうと、セックス自体に興味関心が薄れてしまうことから、セックスに気持ちが入りにくくなり、結果として濡れずに性交痛を感じることも。

まずは、寝不足が続いているのであれば、十分な休息をとるようにしましょう。
睡眠が十分にとれるようになると、自然とスムーズなセックスが出来るようなります。
性欲もセックスには必要不可欠なもの。
性欲が減退していると感じた時には、無理にセックスをする必要はありません。
セックスに対して、前向きになれる時となれない時があるのは当然です。
気持ちがセックスに対して前向きになっていると、満足のいくセックスをすることが出来ます。
逆に前向きになれない時には、セックスに気持ちが入らないので、気持ちのいいセックスをすることが出来ないこともあるのです。
睡眠不足は、セックス以外でもさまざまな場面で影響が出ることがあります。
睡眠の質を整えることで、充実した性生活を送れるようになるかもしれませんね。

ストレス

仕事、友人関係、家族関係など誰でも少なからず悩みを抱えていると思います。
その悩みをそのままにしておくと、知らず知らずのうちにストレスとして蓄積されていきます。
ストレスも寝不足同様、ホルモンバランスの乱れに繋がってしまい、濡れにくくなり性交痛に繋がるのです。
また、セックスに対して積極的でない女性の場合、セックス自体にストレスを感じていることもあります。
セックスにストレスを感じてしまっている女性の場合、

セックスがストレス
→ストレスで濡れにくくなる
→濡れにくくなって性交痛を感じる
→痛みからセックスをストレスに感じる

といったように悪循環になってしまっている可能性もあります。
セックスに対して積極的でない場合は、素直にパートナーに話す事も大事です。
パートナーに話す事で気持ちが軽くなり、自然とセックスに対するストレスが軽減されていきます。

生活をする上でストレスを感じることなく過ごすのは不可能かもしれません。
少しでもストレスを軽減するために、日頃からリラックスする方法を探してみましょう。
シャワーだけでなくきちんと湯船に浸かる、天気のいい日に散歩をして気持ちをリセットするなどどんな事でも構いません。
日々の生活の中でストレスを出来るだけ、ため込まないようにしましょうね。

水分不足

普段から水分をあまり摂る習慣のない人も注意が必要です。
人間の体は60%が水分で出来ているため、普段から水分不足の人は血液循環が悪くなります。
血液循環が悪くなってしまうと、血流不全から「濡れにくい」という症状が出てしまう事があるのです。
習慣的に水分不足の人は自分で「水分不足」とは気づきにくいもの。
肌が乾燥していたり、髪がパサついている状態が続いているなど、体の症状から確認してみましょう。

また、過激なダイエットをしている人も同様に水分不足になりがちです。
セックスをする時には、パートナーに自分の体を見せることになるので綺麗でいたい気持ちはわかりますが、結果として水分不足から濡れにくい症状が出てしまっては本末転倒。
水分不足を解消するには、健康的な食事バランスと十分な水分補給が大事です。
適度な水分が摂れていると、肌に潤いが生まれ髪にも艶が出ます。
綺麗な体でいるためにも、日頃から水分を十分に摂るように心がけましょうね。

疲労

体の疲労も濡れにくいといった症状が出てしまう事があります。
仕事で疲労が溜まっている時などセックスで濡れにくくなってしまい、結果性交痛に繋がってしまうのです。
疲労が溜まっている状態では、免疫力も低下します。

また、疲労が溜まっている時にはセックスに関わらず体は疲れてしまっているため、「休みたい・・・」とどこかで感じていることも。
無意識のうちに「セックスするより今は寝たい・・・」と思ってしまっていることもあるのです。
そんな時には、無理にセックスする必要はありません。
セックスせずに抱き合うだけのスキンシップをとって、体を十分に休めてあげましょう。
パートナーに遠慮して言いにくい事もあるかもしれませんが、夜に十分に休息を取り朝にセックスするのもありです。
いつもと違う雰囲気で盛り上がることもあります。
セックスを義務的にするのではなく、自分の体とよく相談をしながらセックスをするタイミングを決める方が心にも体にも負担をかけずに楽しむことが出来ます。
もちろん逆の立場で男性が疲れている時には、無理に誘わず「今日はゆっくり一緒に休もうね」と声をかけてあげましょう。
お互い無理のないセックスライフを送ることで、恋人としても良好な関係を築くことが出来ます。

冷えや血行不良

女性は、男性に比べて体の冷えを感じる人が多くいます。
冷え性は基本的に血行不良から起こることが多く、特に冬など寒い季節には症状が悪化することも。
冷え症の女性は、性器周辺の毛細血管が収縮してしまい、濡れにくくなります。
また、普段から汗をかきにくい人は要注意です。
冷え性の悩みがある人は、毎日湯船にお湯を張って体を温める習慣をつけることが大事です。

セックスの前にシャワーを浴びると思いますが、その時もお湯に浸かるのもいいでしょう。
男性を待たせるのが申し訳ないと感じる人は、一緒に入るものありです。
お風呂でイチャイチャしながら始まるセックスも新鮮で楽しめます。
しかし、注意が必要なのはお風呂でセックスを初めてしまうと、つい盛り上がってそのまま挿入という流れになってしまうことも。
すると、避妊が疎かになってしまう事もあるので、妊娠を望んでいない場合には、きちんと避妊具を使用するようにしましょうね。

また、冷えや血行不良により濡れにくいという症状がある時には、温感作用のあるデリケート専用のジェルもあります。
温感作用があるので血行を促進して自然と体が温まります。
トイレでこっそり使うのも、セックスの最中に男性に使用してもらうのもいいかもしれません。
セックスをする時には、体と一緒に部屋を少し暖めておくようにしましょうね。

愛撫不足

濡れない原因の一番として挙げられるのが、愛撫不足です。
挿入前の前戯が短かったり、おざなりになってしまうと、膣内が十分に潤わずに挿入時に摩擦が生じて痛みを感じてしまいます。
また、前戯をする男性の爪が伸びていて膣内を傷つけてしまい、痛みを感じることも。
男性方には、最低限のマナーとして爪を短くしておく事と清潔に保っておく事は心がけてもらいましょうね。

男性は、女性に比べてスキンシップを取る時間が短い傾向にあります。
女性はセックスの前のスキンシップやキスで気持ちが高ぶり、性的に興奮します。
若い男性に少しありがちではありますが、気持ちが先走ってしまう事で自分勝手な前戯になり、潤いが足りずに痛みを感じてしまうのです。
男性と女性では、セックスの受け入れ態勢から違います。
女性は、いつでも受け入れ態勢が出来ているわけではありません。
男性には、その違いを理解してもらうようにしましょう。
自分の要望などは、遠慮せずに伝えることも大事です。
男性は自分勝手ではなく、中には良かれと思ってしていることも、女性にとっては快感に繋がるものではないこともあります。
どうされるのが嬉しいのか、どこを触られるのが気持ちいいのかなど自分の気持ちを素直に伝えるといいかもしれませんね。

緊張

セックスに対する緊張感から濡れにくいことも。
セックスの経験が少なかったり、セックスを初めて経験する女性は緊張して当たり前です。
好きな男性に自分の裸を見せるという行為は緊張して当然。
そんな緊張感から始めてや経験の浅い女性は濡れにくく、挿入時に性交痛を感じてしまいます。
緊張していると頭の中にはいろいろな考えがめぐってしまい、セックスに集中出来なくなってしまうのです。
「緊張するな」というのは無理な話ですが、まだ恥ずかしいと感じている場合には、部屋の電気を出来るだけ暗くしてもらうなどの工夫をしてみましょう。
しかし、男性にとってはそんな恥じらっている女性の姿に興奮することもあります。
いつかは緊張や恥ずかしい気持ちもなくなってくるので少しずつ慣れていきましょうね。

また、「恥ずかしいけどセックスに集中しなきゃ!」と無理に思い込むのはやめましょう。
逆効果です。
緊張している時には、何も考えないことが一番。
大好きな彼に抱かれていることだけを見て、他は考えないようにしましょうね。

出産

出産前には、性交痛を感じた事なかったのに産後のセックスで痛みを感じる人も少なくありません。
妊娠中も同様ですが、産後はホルモンバランスが乱れた状態になってしまいます。
また、慣れない育児で日々の生活を送るのが精いっぱいになっている状態で、体は疲れてしまっているのです。
特に1歳になる前の赤ちゃんの時期は、睡眠時間も定まっていないため、夜にセックスをしていても赤ちゃんが起きないか心配でセックスに集中出来ないことも。
同様に男性も「赤ちゃんがいるから早く終わらせないと!」と前戯が疎かになってしまう事もあります。

産後は女性の体だけでなく生活環境も大きく変わってくる一番大変な時期です。
パートナーとのセックスでのコミュニケーションも大事ですが、まずは産後の体調を整えるようにしましょう。
セックスが出来ずに夫婦のコミュニケーションが少なくなってしまう場合には、実家に赤ちゃんを預けて夫婦だけで出かける時間を作るのもいいかもしれませんね。
子どもが生まれるとどうしても男性、女性ではなく父親、母親の関係になってしまいがちです。
時には夫婦水入らずの時間を持つことも大事。
セックスする時間がなくても男女としていられる関係を築きましょうね。

セックスの時に痛いのは入り口?奥?

そもそもセックスの時に痛みを感じてしまう時、どこで痛みを感じているのでしょうか?
痛む場所によって性交痛の原因がわかることもあります。

まずは、挿入する時に膣の入り口が痛む場合は、性器周辺や膣が濡れていない事が原因であるのがほとんどです。
入り口付近が濡れていない事によって摩擦が生じて痛みを感じてしまいます。
また、そのまま我慢してしまい摩擦で膣内に傷が出来てしまい炎症を起こし、さらに痛みを感じてしまう事も。
濡れていないことが原因の場合、挿入する時から痛みを感じることが多いので、痛みを感じたら一旦ストップしましょう。
前戯の時間を長くしてもらい、十分に潤いを持たせてから挿入します。

また、ローションなどの潤滑油を使用するものいいかもしれませんね。
しかし、ローションを使用すると布団やベッドが汚れてしまう事もあるので、バスタオルを敷くなど工夫して使用しましょうね。

性交痛を感じる場所が奥の場合、なんらかの病気が潜んでいる可能性があります。
子宮内膜症は、膣の一番奥が好発部位です。
そのため、男性器を奥まで挿入した時に刺激され痛みを感じます。
また。子宮筋腫が子宮の後ろに出来ている場合にも同様に、刺激から性交痛に繋がることも。
そのほかにも堕胎経験のある女性は、子宮内の炎症や癒着によって痛みを感じることもあるので注意が必要です。
癒着がある場合、将来的に子供を望んだ時に不妊症になってしまう可能性があります。
性交痛を膣の奥で感じた時には、病院で診察を受けるようにしましょう。

濡れにくいのは更年期が原因の場合も

更年期とは、45歳~55歳の女性に表れる症状で汗が止まらなくなったり、イライラしたり、無気力になるなどさまざまな不快な症状があります。
一般的に言われる更年期の症状のほかに、セックスの際に濡れずに痛みを感じてしまう事もあります。
更年期は、女性ホルモンであるエストロゲンが減少することで、さまざまな症状を引きおこすのです。
エストロゲンの減少によりホルモンバランスが乱れ、濡れにくくなってしまいます。
また、更年期症状により精神的に無気力になっていることから、セックスに対して前向きになれず体が受け入れ態勢を作れていないことも一つの原因です。

更年期の性交痛の改善方法としてエストロゲンの補充をする治療があります。
ホルモンバランスを整え、同時に体の不調も緩和してくれます。
更年期の症状がひどく、セックスに対しても興味が持てなくなってしまった時には、病院を受診するのも大事なことです。
しかし、中には更年期に性交痛で病院に行くのを躊躇う女性もいるかもしれません。
そんな時にはローションなどを使用し、痛みを緩和出来るようにパートナーと話をしてみましょうね。

痛い場合は我慢しない!

女性はセックスの時に痛みを感じても我慢してしまう事がほとんどです。
セックスの雰囲気を壊したくない、彼の気分が損ねたくない、などの理由から多くの女性は性交痛を感じた経験があるのに相手には言っていない状況です。
しかし、性交痛を我慢してしまうのはよくありません。
痛みを我慢してセックスを終わらせると、その場はいいかもしれませんが、必ず後から何らかの影響が出てきます。

・痛みでセックスが嫌になる
・セックスがトラウマになる
・病気が隠れている場合、症状が悪化する

など影響の出方はさまざまですが、結果としてセックス自体を嫌いになりかねません。
セックスの元は子供を作るための行為ですが、愛し合う男女の大切なコミュニケーションの一つです。
肌と肌が触れ合う行為は、相手を信頼してこその行為。
嫌いになっては、大事なコミュニケーションを失ってしまいます。
もちろんセックスの最中にパートナーに痛みを感じていることを伝えにくい気持ちもわかります。
しかし、男性側も痛みを我慢させてまでセックスしようとは思っていません。
痛みを感じるのであれば、パートナーにきちんと伝えて二人でいい解決策を考えるようにしましょう。

痛みがひどい場合は病院へ

セックスの時の痛みが続く場合には、病院の受診も検討するようにしましょう。
また、セックスの時に痛みはなくても排尿時や下腹部に痛みがある場合にも、婦人科系の病気の可能性があります。
婦人科系の病気の場合、放置してしまうと悪化して不妊症に繋がってしまう事も。
将来的に子供を望んだ時に後悔しないように婦人科の受診は定期的に受ける事をお勧めします。

性交痛を感じる場合、少なからずどこかにトラブルがあります。
クラミジアなどの性病も痛みの原因になり得るのです。
婦人科系の内診は女性にとって抵抗を感じるかもしれませんが、自分の体を知ることはセックスに限らず大事な事。
病院の受診でトラブルの元を発見する事が出来れば、セックスで性交痛を感じてしまう症状も改善されます。
何か気になる症状があれば

・いつからあるのか
・どんな症状か
・どんな時にどんな痛みがあるのか

など記録しお医者さんに伝えることでトラブルの原因を突き止めやすくなります。
痛みを感じた時には、我慢せずに病院に相談するようにしましょうね。

まとめ

今回は女性の多くが経験したことのある「性交痛」についてお話しました。
セックスはお互いが安心感や快楽を得てこそ成り立つ行為です。
どうしてもセックスは男性がリードすることが多いため、男性主導になりがち。
そんな男性主導なセックスだからこそ、女性が痛みを感じたとしても言いづらい状況になってしまいます。
体質改善や日々の生活習慣の見直しをすることで多くの場合、性交痛は改善されます。
性交痛だけでなく、体にとってもいい事なので今一度、今の自分の生活を見直しましょうね。

セックスにおいては、男性も女性も気持ちよくなってほしいと思っています。
好きだからこそ言いにくいかもしれませんが、好きだからこそお互いが気持ちよくなれるようにセックスについて二人で話し合う機会を作るのも大事です。
これからよりよいセックスライフを送るため、性交痛は放置せずにきちんと対処するようにしましょうね。